日本の民話は面白い
「へっとこまかせ」という民話です。
むかし、尾之間に侏儒どんというからだの小さい人がありましたそうな。
侏儒どんは隣り部落の原から嫁のサヨさんをもらっていました。
あるとき、原のカカさんからむこの侏儒どんに、
「ごちそうをするが、遊びにきませんか」
と伝言がありました。
そこで、侏儒どんは大喜びで出かけました。原のカカどんは、
「ああ侏儒どん、よく来てくれた。早く上がんなさい」
と喜んで迎えました。そしてカカさんはのガマに水をいれて、こそこそと準備しました。
「カカさんは何をするんじゃうかい。」
やがてハガマが、
グワタグワタグワタ、グワタ
とたぎってきたとき、カカさんは白い粉を水で練ったのを丸めて、いくつもいくつも、のガマの中にいれました。
すると、ハガマの中に、ひょこっ、ひょこっと白いものが浮いてくるのです。
カカさんはそれを一つ一つざるの中にとりあげました。
「何というごちそうやろか。」
侏儒どんは生つばをのみこみながら見ていると、今度は白いのを皿にもって、砂糖をどっさりまめて、
「さあ、侏儒どん、煮えたかア食ってくえ」
ということです。
ところが、そのうまいこと、侏儒どんはたちまち食って、
「カカさん、もういっぱい」
と皿をさしだしました。ところが、それもたちまちたいらげて、
「こア、うまか、もういっぱい」
と三ばいめをさしだしました。
カカどんは目をまるくしながらも、かわいいむこどんの皿に山もりしてやりました。