日本の民話は面白い 3
ところが、途中に小川があったので、
「へっとこまかせ」
といってとんだら、今度は、
へっとこまかせ、へっとこまかせ
へっとこまかせ、へっとこまかせ・・・
こういいながら、家にもどりつきました。
「サヨ、今もどった。」
「今でしたか。うんどがカカさんな、何のごちそうを食わしたか。」
「わいげな、わざいうまかもんがあるもんじゃね。あななもんな、はじめて食たが。」
「そア、何じゃったうか。」
「へっとこまかせよ。」
「ばかな。へっとこまかせ、そげなもんがあっか。」
「いやもあった。ほんのこて、うまかもんじゃった。おれにも、へっとこまかせを作って食わせ。」
「いや、そんな、へっとこまかせというもんな知らん。」
「ばかっ、わいがカカさんが食わせたへっとこまかせよ。」
「そげんいうてん、おや、そんなもん知らん。」
こういうたとき、侏儒どんのきせるがサヨさんのめっけん(眉間)にとんできました。
「ばかっ、おれがへっとこまかせをかませというても食わせんのか。」
ところが、サヨさんのみけんの上に大きなコブができましだ。サヨさんはコブをなでて、
「あよ、こア、しょんだこのようなコブがでけたが」
というと、侏儒どんが、
「そうじゃ、そうじゃ、そのしょんだごじゃった。こア、おいが悪かった。」
「はいよ、も、こげ打たれてかア、だれがしょんだごなど作ってやるもんか。」
サヨさんはコブをなでながら、ぷりぷり怒っています。
「そういうな。おいが悪かったかア、作って食わせ。」.
侏儒どんはしきりにあやまりました。
そこでサヨさんがしょんだごを作って食わせたら、侏儒どんは十ぱいも食べてしまいましたそうや。
おしまい。
・・・ちなみに侏儒どんは小人の意味です。
鹿児島の日当山侏儒どんの話が南九州一帯で語られていますが、それは賢人話になっています。
屋久島ツアーで人気の屋久島ではこのように愚人話となっています。